AI急成長で電気料金値上げ?

AI技術

こんにちはマーリンです!
初投稿である今回ですが、電気とAIの関係性について、お話しするよ。
「6月より電気料金が大幅値上げ!!」と世間での大きな話題ですよね。なんでも1.5倍になるって話で、定額減税の恩恵なんて結果的に吸収されてしまうインパクトって。。
そんな中、こんな米国のニュース記事を見つけましたよ。©ブルームバーグニュース

ニュース概要:AI技術の普及に伴ってGPUを展開する米大手エヌビディアの株価上昇が先日話題になったが、AIデータセンターなどの大規模な電力需要を見込んで、エヌビディア以上に電力会社のビストラ株が伸び(300%)、ウォール街でトップになったというニュースだ。

へー、アメリカさんはそうなんだぁ(対岸の~的感想w)。と最初は思ったけれど、、イヤ待ってよ(キリッ)と日本の状況が気になりました~。

それで結論から言うと、予想通り「そりゃあ、日本もだよね」でした。。。
最近のAI技術の発展は私たちの生活や仕事にじわじわと変化をもたらし始めていますが、その裏には大きな電力消費がセットなのでした。それでは、詳しく見ていきましょう。

AIと電力って、どう関係するの?

AIサービスに限らず、ネットを介したウェブサービスはサーバー環境を持っており、それと送受信することで成り立っている仕組みです。
それはデータセンター内にサーバーの実機があり、みなさんが普段使用しているPCやスマホより段違いに高性能であるコンピューターであることは想像しやすいと思います。
これまではサーバーの高性能なCPU(中央処理装置)が処理してきましたが、近年ではGPUやAIを得意とするTPUを積んでいるサーバーが出て来ました。
GPUはコンピュータのグラフィックス処理を専門に行うプロセッサのことで、一般的にもゲーミングPCを持っている人にとっては、今やお馴染みで当たり前になっているものですね。並列処理を得意としていて、グラフィックス処理だけでなく科学計算や機械学習・ディープラーニングのトレーニングなど大容量の情報処理にも利用されている状況です。
TPUはAI処理に特化したプロセッサで高効率である一方、消費電力も大きいことが特徴です。

AIを稼働させるためには、これらの高性能な機器を使って大量の情報処理がされ、その分の消費電力量も増加するし、更にサーバーの発熱もすごいので、それを冷却するための電力量も大幅に増加します。
その為、AIデータセンターの電力消費は通常のデータセンターのラックの7倍の電力を必要とすることもあります。

という訳で、AIというのは大量の電力消費が必要となります。そりゃー、電力会社の株価が上がるのも納得です。

日本国内のAIデータセンターの普及は?

日本でもAI技術の普及に伴い、データセンターの増設や既存のデータセンターの高性能化が進むと予想されます。これにより、電力需要も増加するでしょう。
日本国内でのAIデータセンターに関連する計画やニュースもすでに、いくつかの発表や取り組みがある状況です。
最近でも千葉県の印西・白井地域に多くの新しいデータセンター設立が計画されているニュースが出ていましたね。その為にも新規で変電所を作り、更にそれを近郊の船橋変電所とも地下で送電を繋げる大きな計画であることに、驚きとともに仕組みに納得しました。申し込む事業者が多く、既に計画段階でキャパいっぱいである事にも重ねて驚きました。

NTTデータと東京電力パワーグリット

上記、東京近郊である千葉のデータセンターの計画。

ソフトバンク

日本全国に分散型のAIデータセンターを展開する計画を発表。

AWS(Amazon Web Services)

2027年までに、日本のクラウドインフラストラクチャに2.26兆円を投資する計画を発表。この投資は、日本のGDPに5.57兆円の貢献を見込み、毎年約30,500のフルタイム雇用をサポートする予定です。東京と大阪にクラウドインフラを拡大。

Microsoft

日本国内のAIとクラウドインフラを強化するために29億ドルを投資する計画を発表。

この様に日本国内において日本企業、外国企業問わず既に計画が進められている状況です。

日本の電力市場状況

次は電力市場状況について。現状では、多くの電力会社が過去最高の利益を出している状況にあります。円安の影響や価格引き上げ、エネルギー需要の増加が理由となっている。また、冒頭にも話した電気料金の値上げの主な理由は下記となっています。
燃料価格の上昇:燃料の多くを輸入に頼っており、最近の円安で輸入コストが増加。
エネルギー需要の増加:コロナ禍からの回復で、経済活動が活発化。特に、製造業やサービス業。
再生可能エネルギーのコスト:導入は進んでいるが、初期コストや運用コストが高く、芳しくない状況であるため影響が出ている。

円安であることの電力会社への影響

円安の影響を深堀ってみると「輸入燃料費の増加」以外にも影響があったんだ。
輸出関連企業の電力需要増加:例)トヨタやソニーなどの大手輸出企業が円安の恩恵を受けて生産を増加させると、それに伴い電力消費も増え、電力会社の売上増加につながる。
為替差益:海外に発電所を持っている電力会社(例:関電や中電)が、その収益を円に換算する際に、円安の影響で収益が増加する。

まとめ

米大手電力会社の驚くべき株価上昇ニュースを引き金として、日本国内でのAI・電力を探ってみましたが、如何だったでしょうか?
ボクの感想は「電気代は上がるが、現在の構造的な要因もあり、いずれ下がる期待はあまり出来ないっぽいな。。」と思いました。

大所高所からは日本のエネルギー政策、情報管理政策と国家規模での方針・戦略を整えていかねばならない必要性を感じました。エネルギー効率化や再生可能エネルギーの導入などのキーワードが頭に浮かびましたね。
また、日本政府はAIのガバナンスに関する国際的な枠組み「広島AIプロセス」を立ち上げたと云うことで、そこも今後勉強してゆきたいと思いました。

この記事が、AIデータセンター計画とその電力市場への影響について理解を深める手助けとなれば幸いです。